■ はじめに:60歳の働き方は“人生の後半戦”を左右する
60歳以降の働き方は、老後の資産寿命と生活の安定に直結します。
- 60歳で完全退職してゆったり暮らす
- 65歳まで再雇用で働き続ける
- 軽めのパートに切り替えて自由時間を増やす
どれも間違いではありません。
ただ、働き方によって老後の資産がどれくらい持つか は、想像以上に大きく変わります。
今回は、僕自身の実生活(地方暮らし・独身・実家暮らし)をベースに、
“再雇用フルタイム5年” と “パート勤務” の2つを比較したときの違い を整理してみました。
金額の具体公開は避けつつ、
“どのように資産寿命が変わるのか” をイメージできる形でまとめています。
■ 1. 60歳以降の2つの働き方モデル
今回扱うのは以下の2つ。
● ① 再雇用フルタイム(60〜65歳)
- 60歳でいったん定年
- 退職金を受け取りつつ、5年間はフルタイム勤務
- 年収は現役よりは下がるが安定
- 賞与も少しあり
- 社会保険にも加入
特徴:資産の取り崩しが始まらない(ここが最大)
● ② パート勤務(60歳〜)
- 月収は控えめ
- 社会保険加入なしの働き方も可
- 生活費の補助にはなるが、大きな積み増しは期待しづらい
- 自由時間は多い
特徴:収入はあるが“資産をやや取り崩す生活”になる
■ 2. 資産寿命をもっとも左右するのは「取り崩し開始がいつか」
老後の資産寿命で最も大きな影響を与えるのは、
👉 「いつから資産を取り崩し始めるか」
この一点です。
60〜65歳の間に収入があるかどうかは、
その後の40年間(60〜100歳)に直結します。
● 再雇用の場合(60〜65歳)
- 5年間ほぼ “収入で生活が完結” する
- 資産はほぼ減らない
- むしろ退職金の効果で資産が増えるケースすらある
- 65歳からの年金が増える(厚生年金加入のため)
● パートの場合(60歳〜)
- 生活費の一部はパート収入でまかなえる
- ただし“資産取り崩し”がすぐ始まる
- 年金の増加もほぼ期待できない
- 自由時間が多い分、資産の寿命が短めになりがち
■ 3. それぞれの働き方での「資産推移イメージ」
数字は出しません。
推移の“カーブ(形)”だけで説明します。
● ① 再雇用フルタイムの資産カーブ
60歳:退職金で山ができる
↓
60〜65歳:ほぼ横ばい
↓
65〜80歳:緩やかに下がる
↓
80〜100歳:やや減るが枯渇しない
👉 100歳時点で資産が残る(安全圏)
● ② パート勤務の資産カーブ
60歳:退職金で山ができる
↓
60歳以降:緩やかに減少(取り崩し開始が早い)
↓
70〜80歳:減り方が少し大きくなる
↓
90歳以降:資産残高は低め
👉 100歳まで残る可能性はあるが“余裕は少ない”
■ 4. 再雇用5年が「資産寿命の最強カード」になる理由
再雇用のメリットは、年収額の問題ではありません。
本質は、
👉 取り崩し開始を遅らせる
👉 年金受給額が増える
👉 65歳時点の資産ボリュームが大きくなる
この3つ。
特に“遅らせる”効果は絶大で、これは個人差がほぼありません。
● 再雇用中も投資を続けられる
生活費が給与でカバーできるので、
年金前の5年間も淡々とNISAやiDeCoを続けられます。
- 市場が好調なら資産が増える
- 市場が低調でも、取り崩さないから痛手が少ない
どちらに転んでも悪手になりにくい。
● 精神的にも強い
- 「65歳まで収入がある」という安心
- 「60歳から資産生活」のような怖さがない
- 「自分のペースで老後を迎えられる」
お金だけでなく“心の安定”にも効いてきます。
■ 5. パート勤務のメリットも大きい(時間・体力面)
再雇用の話になると
「パートは損」と語られることがあります。
ですが、そんなことはありません。
- 自由時間が圧倒的に増える
- 趣味や家族の時間が増える
- 体力的に無理しない働き方
- ストレスが少ない
生き方としてはとても合理的です。
ただし、資産寿命という視点では
“取り崩し開始が早くなる”デメリットは無視できないため、
その部分だけは理解して選ぶ必要があります。
■ 6. 結論:60〜65歳の5年間をどう使うかで老後は大きく変わる
どちらの働き方が正解かは、人によって違います。
ただ、資産寿命という観点で見れば、
👉 再雇用フルタイムの5年は「資産寿命を最大化するカード」
これはほぼ揺るがない事実です。
一方で、人生の質はお金だけでは決まりません。
心地よい働き方・生活リズムを選ぶことも同じくらい大事。
あなたが大切にしたいのは、
- どんな生活ペースが理想か
- 体力はどれくらいか
- どんな老後を描いているか
このバランスをとりつつ、
“60〜65歳をどう使うか” を考えていくのが最適解です。