資産管理

生活防衛資金はいくら必要?|「現金比率」を決めて投資を止めない家計にする

はじめに|投資が続かない原因は「相場」より“現金不足”だった

積立投資(NISAやiDeCo)を始めたのに、途中で止まってしまう。
私自身も、最初は「意志が弱いからかな」と思っていました。

でも振り返ると、止まる原因はだいたい同じでした。

  • 車の修理や冬の出費が重なる
  • 家電が壊れる
  • 予定外の支払いが来る
  • その月だけ家計が赤字になる
    → 「投資を一時停止しよう」となる

つまり、投資を止める原因は“気合い”ではなく 現金の余白が足りないことでした。

そこで私は、投資を頑張る前に、先に 生活防衛資金(いつでも使える現金)
現金比率(資産の中で現金をどれだけ持つか) を決めるようにしました。

※この記事は私の条件(40代・独身・地方暮らし)での考え方です。金額や最適解は人によって変わる前提で読んでください。


この記事で分かること

  • 生活防衛資金(緊急用の現金)が必要な理由
  • 「何か月分」をどう決めるか(自分向けの決め方)
  • 生活防衛資金の計算式と、現金比率の決め方
  • 雪国×車社会でも投資を止めない家計の作り方
  • 向いていない人/注意点
  • よくある質問(FAQ)

結論|生活防衛資金が決まると「投資は続くもの」になる

私の結論はこれです。

投資を続けるコツは、銘柄選びより先に
生活防衛資金(緊急用の現金)現金比率 を決めること。

生活防衛資金があると、急な支出が来ても「投資を売って対応」しなくてよくなります。
結果として、積立の継続がラクになります。


そもそも生活防衛資金とは?|“困ったときに家計を守る現金”

生活防衛資金は、ざっくり言うと

  • 病気やケガ
  • 失業や収入減
  • 車・家電・冬の突発出費
  • 冠婚葬祭などの急な支払い

こういう「生活が揺れるイベント」に備える現金です。

ポイントは、投資と違って、いつでも・確実に使える状態にしておくこと。
(私は普通預金を基本にしています)


生活防衛資金は「何か月分」?|迷ったら3〜6か月から

よく言われる目安としては、生活費の 3〜6か月分
ただし、働き方や生活の安定度で適正は変わります。

私は迷ったとき、次のルールで決めるのが現実的だと思っています。

目安の決め方(私のおすすめ)

  • 収入が安定している(会社員等)
    → まず 3〜6か月分 から
  • 収入が変動しやすい(自営業・フリーランス等)
    6〜12か月分 を検討
  • 車・冬の特別支出が大きい/持病など不安がある
    → 上限側(6か月寄り)で考える

「正解」を当てに行くより、最初は小さく作って、運用しながら調整が続きます。


HOW TO|生活防衛資金と現金比率を決める手順(私の型)

ここからは手順です。難しいことはしません。

Step1:まず“毎月の最低生活費”を出す(ここが土台)

生活防衛資金は「いつもの生活費」ではなく、
最低限これだけは必要というラインで考えるとラクです。

目安として、私は次の考え方にしています。

  • 固定費(通信・保険・サブスクなど)
  • 食費・日用品(最低ライン)
  • 光熱費(平均〜冬寄りで少し余裕)
  • 車が必須なら、最低限の維持(燃料・保険など)

※ここはあなたの年間支出モデルがあると早いです。

→ 私の場合は「年の支出」を先にざっくり作ってから、最低生活費(月)へ落としました。
具体例は「年間支出320〜330万円のモデル」にまとめています。
また、最低生活費を安定させるには固定費を“削る”より“整える”方が続きました。手順は「固定費は“削る”より“整える”」で整理しています。

【内部リンク】

  • 「年間支出320〜330万円のモデル」
    https://kecchan-blog.com/annual-cost-320/
  • 「固定費は“削る”より“整える”」
    https://kecchan-blog.com/fixed-cost-life/


Step2:「必要か月数」を決める(3・6・12のどれかでOK)

私は悩んだら、まず 3か月 or 6か月 で決めるのがおすすめです。

  • まず3か月:最短で形にできる(心理的に効く)
  • 6か月:雪国×車社会など、出費が読みにくい人は安心
  • 12か月:収入変動が大きい人向け

Step3:計算する(式はこれだけ)

生活防衛資金の式はシンプルです。

生活防衛資金=最低生活費(月)×必要か月数

例(数字は架空です)

  • 最低生活費(月)20万円
  • 必要か月数 6か月
    → 生活防衛資金 120万円

ここまでが「まず確保する現金」です。


Step4:現金比率を決める(“投資に回していい範囲”が見える)

現金比率を決めるときは、「生活防衛資金」と同じくらい“特別支出(年に数回まとめて来るお金)”の枠が重要でした。
特別支出を年単位で確保する考え方は「特別支出は年単位で管理する」にまとめています。

【内部リンク】

  • 「特別支出は年単位で管理する」
    https://kecchan-blog.com/special-expense-management/

Step5:置き場所を決める(“すぐ使える”が最優先)

生活防衛資金は「増やす」より「使える」が大事です。

私が優先している条件はこの3つです。

  • いつでも引き出せる
  • 元本割れしにくい
  • 管理がシンプル

私は基本、普通預金(必要なら口座を分ける)で運用しています。
増やすのは、その後の投資側でやれば十分だと感じています。


私の場合|現金比率を決めたら、投資の不安が減った

雪国×車社会だと、冬に出費が寄りやすいので「冬の特別支出」を先に見える化しておくと安心感が増えました。
具体例は「雪国の冬に増える特別支出」で整理しています。
そして、現金枠ができた後は、積立投資を“自動化”して止めない仕組みに寄せました。やり方は「積立投資を続ける仕組み(自動化)」にまとめています。

【内部リンク】

  • 「雪国の冬に増える特別支出」
    https://kecchan-blog.com/snow-special-expense/
  • 「積立投資を続ける仕組み(自動化)」
    https://kecchan-blog.com/automatic-investing-habit/

よくある失敗パターン(私はここでつまずきました)

1)生活防衛資金がないまま投資を始める

急な出費が来た瞬間に投資を止めやすく、継続の習慣が崩れます。

2)特別支出(車・冬・家電)を“月の中で吸収”しようとする

雪国×車社会は、特別支出が「季節・年単位」で来ます。
月で吸収しようとすると、どうしても歪みます。

3)現金を持ちすぎて、投資がいつまでも始まらない

逆に、現金を増やすこと自体が目的化すると、長期の資産形成が進まないことがあります。
私は「現金枠はここまで」と線引きした方が前に進めました。


向いていない人/注意点

  • 借入返済が重く、まず家計の固定費が崩れている
    → 先に固定費の整理が優先
  • 家計の把握がなく、最低生活費が見えない
    → まず年間支出モデルを作る方が早い
  • 近い将来に大きな支出(引っ越し等)が確定している
    → 投資より現金優先でOK(安全側で)

FAQ

Q1. 生活防衛資金は「いくら」が正解ですか?

正解を当てに行くより、「最低生活費×3か月」など小さく作って運用し、必要なら6か月へ増やす方が続きました。

Q2. 現金が少ないまま投資をしても大丈夫?

急な出費で投資を止めたり、取り崩したりする可能性が高いなら、私は先に生活防衛資金を優先した方が良いと思います。

Q3. 生活防衛資金はどこに置くのがいい?

私は「すぐ使える」を最優先にしています。増やすのは投資側でやれば良い、という考え方です。

Q4. 老後シミュレーションにはどうつなげればいい?

現金枠(生活防衛資金+近い将来の予定)と、年間支出の前提が固まると、老後資金の見通しが一気に現実的になります。
私のやり方は「老後資金を資産寿命で考える」にまとめています。

【内部リンク】

  • 「老後資金を資産寿命で考える」
    https://kecchan-blog.com/retirement-simulation/

まとめ|生活防衛資金は“投資を続けるための土台”

生活防衛資金(現金枠)は、投資の邪魔ではなく、むしろ 投資を続けるための土台だと私は感じています。

今日やること(次の行動)
1) 最低生活費(月)を出す
2) 3か月 or 6か月で必要額を決める
3) 現金枠(生活防衛資金+近い予定)を作る
4) 残りを投資に回す(自動化が最強)

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