■ はじめに:老後の不安は「自分の数字」を知ると小さくなる
老後のお金の話は、誰にとっても不安がつきまといます。
「年金だけで生活できるのか」
「60歳以降の収入ってどうなるのか」
「どのくらい資産があれば安心なのか」
こうした不安は、実は 正しい数字を知るだけ でかなり軽くなります。
そこで今回は、47歳・地方暮らし・独身の僕が、
自分の生活費と働き方をもとに 60〜100歳までの生活計画を試算した結果 をまとめました。
具体的な金額をすべて公開する必要はありません。
“考え方の型”として読んでもらえれば十分です。
この記事で分かること
このページでは、47歳・独身・地方在住・実家暮らしの私が行った「60〜100歳までの資産寿命シミュレーション」をもとに、
- 60歳定年 → その後の働き方で、資産寿命がどう変わるか
- 年間支出320〜330万円というラインが、地方 × 独身 × 実家暮らしでどのくらい現実的なのか
- 雪国ならではの支出(冬・車・特別支出)を老後設計にどう織り込んだのか
- 「再雇用5年」と「パート勤務」のパターンを比べたときの違い
- 今の生活コストをベースに、老後の不安を数字でならす考え方
といったポイントを整理しています。
具体的な金額そのものよりも、
「どんな前提を置くと、老後のお金の不安が整理されるのか?」
という“考え方”に焦点を当てています。
■ 前提条件(個人情報に触れない範囲で)
この記事ではシミュレーションの 構造 を重視するため、
資産額などの詳細はあえて伏せ、以下の「前提条件のフレーム」だけ用います。
● 年齢・暮らし方
- 47歳・独身
- 新潟県の地方エリア在住
- 実家暮らし(固定費が安定)
● 年間の生活費
- これまでの家計簿(2019〜2024)から
「年間320〜330万円」程度の生活 が自然体で続けられている
この範囲は雪国でも現実的に続けやすい水準です。
● 資産の内訳
現在の資産は以下のような構成です。
- 現金・普通預金
- 投資信託
- 債券(安全資産)
- iDeCo(年金用積立)
金額は公開しませんが、
「投資と現金のバランスは偏っていない」
「短期と長期の資産を両方持っている」
という状態です。
● 60歳時の退職金
- 退職金あり(一般的な地方公的医療機関に近い水準)
● 再雇用の働き方(60〜65歳)
- フルタイムの再雇用が5年間可能
- 年間の総収入としては「現役時代ほどではないが安定している」程度
● 65歳からの年金
国の試算ツールをもとにした
一般的な40代後半の独身男性に近い受給額 を前提にしています。
(こちらも具体数字は伏せます)
■ 60〜65歳:再雇用の5年間が老後の「土台」になる
資産寿命のシミュレーションをして強く感じたのは、
再雇用5年の効果がとにかく大きい という点です。
理由は3つあります。
● ① 資産の取り崩し開始が5年間遅れる
多くの人は
「60歳 → 収入が落ちる → 資産をすぐ取り崩す」
という流れになります。
しかし再雇用があると、
取り崩しを65歳まで“先延ばし”できる のが最大のメリット。
これだけで資産寿命は大きく変わります。
● ② 年金受給開始と収入の谷が重ならない
再雇用5年があることで、
60〜65歳の「無収入期間」が発生しません。
いわば “年金受給前の橋渡し” の役割です。
これが非常に強い。
● ③ 年金の受給額が自然に増える
再雇用中も厚生年金に加入するため、
65歳の時点での受給額が自然に増えます。
「働いた分だけ将来が安定する」わかりやすい構造です。
■ 65歳以降:年金+必要に応じて資産を取り崩す
65歳からは年金が中心になります。
生活費は年間320〜330万円。
年金でまかなえる分と、足りない分のバランスで
どれくらい資産寿命が伸びるか が決まってきます。
● 老後資金が“枯渇しづらい”構造
シミュレーション上、資産が長持ちした理由は以下の通り。
✔ 年間の生活費が大きく変動しない
✔ 実家暮らしで固定費が安定している
✔ 雪国特有の特別支出(車・冬設備)を年25〜50万で見込んでいる
✔ 投資は控えめな利回り(2〜3%)で計算
✔ 無理な節約ではなく“自然体の支出”をベースにしている
■ 資産推移のイメージ(数字なしの構造説明)
ここでは主に「推移の形」だけ説明します。
● 60歳(退職金受領時)
→ 資産のボリュームが一気に増える
● 60〜65歳(再雇用中)
→ 資産はほぼ横ばい、もしくはやや増える
(取り崩す必要がほとんどない)
● 65〜80歳(年金+資産の取り崩し)
→ 緩やかに下がっていくが急減はしない
● 80〜100歳
→ 想定より長生きしても破綻しない
→ 100歳時点でも一定の資産が残りやすい
老後のお金が不安になる理由のほとんどは、「自分の支出のクセが分からない」ことにあります。生活費のパターンが見えてくると、老後のお金の計算が安定します。
■ “総資産の金額を公開しなくても”老後計画は作れる
今回のように、
- 支出モデル
- 収入モデル
- 再雇用
- 年金
- 特別支出
- リスク因子
といった 構造だけ把握する ことで、
総資産の公開なしでも十分に老後の見通しは立ちます。
むしろ、総額に惑わされず
「自分の暮らしの形」から考える老後計画 の方が長続きします。
私が老後シミュレーションを現実的にできたのは、家計簿を5年以上続けてきたおかげです。
特別支出のパターンや、生活費の“癖”が掴めるようになります。
▶ 関連記事:家計簿は“暮らしの輪郭”を整えるツールだった
HOW TO:あなた自身の「資産寿命」をざっくり試算する手順
この記事では私のケースを書いていますが、
同じ考え方で「自分の場合」をざっくり試算することもできます。
ここでは、私が実際にやった手順を、難しい計算を使わない形でまとめておきます。
1. 自分の「いま」を紙に書き出す
まずはざっくりでいいので、
- 現在の年齢
- なんとなくの金融資産のボリューム感(○○万円台、○○千万円台…くらい)
- 手取り年収のおおよその金額
- ここ数年の年間支出(家計簿があればなお良い)
を書き出します。
「正確さ」よりも、「全体のバランス」を掴むことが目的です。
2. 老後の生活費モデルを決める
次に、
- 老後も今と同じくらいの暮らしを続けるとしたら、年間いくら必要か
- 少し絞るとしたら、どのくらいまでなら無理なく下げられそうか
を考えます。
私の場合は、実際の家計簿から
年間320〜330万円あれば“無理のない生活”ができる という感覚があったので、
そのラインを老後の支出モデルとして使いました。
3. 60〜65歳の働き方のパターンを決める
老後設計で意外と大きいのが「60〜65歳の5年間」です。
- 再雇用フルタイムで働くのか
- パートタイムで働くのか
- 60歳で完全リタイアするのか
ざっくりでいいので、「こうなったらいいな」という働き方を一度決めてしまいます。
私は、
- 60歳で一度定年 → 退職金
- 60〜65歳は再雇用フルタイム
という前提で試算しました。
4. 公的年金の見込み額を確認する
ねんきん定期便やねんきんネットなどで、
- 65歳から受け取れる公的年金(年額)
を確認しておきます。
ここは細かくなりすぎなくてよくて、
「年○○万円台くらい」というレベル でも十分役に立ちます。
5. 「収入 − 支出」で、ざっくり将来を追いかける
あとはシンプルに、
- 60歳までは:給与収入+ボーナス − 生活費
- 60〜65歳:再雇用 or パート収入 − 生活費
- 65歳以降:年金収入 − 生活費
という形で、5年刻みくらいで
「資産がどのくらい増えるか/減っていくか」
を追いかけてみます。
運用益は、私は年2〜3%程度の現実的な数字を置いて計算しました。
6. 100%正確を目指さない
ここまで聞くと、
「そんなにちゃんと計算できない…」
と思われるかもしれませんが、
最初から100%正確さを目指す必要はないと思っています。
大事なのは、
- どのタイミングで支出が重くなるのか
- 60〜65歳の働き方で、資産寿命がどれくらい変わるか
- 「今の暮らし」と「老後のイメージ」がつながるか
このあたりを“ざっくり掴むこと”です。
もし余裕があれば、その後にFPさんや専門家に相談して精度を上げる、という順番でも十分だと感じています。
よくある質問(FAQ)
Q1. なぜ資産額を具体的に公開していないのですか?
A. 単純に、私自身があまり気持ちよくないからです(笑)。
また、金額そのものよりも、
- どういう前提で考えたのか
- どのくらいの支出なら無理なく続けられるのか
- 60歳以降の働き方をどう組み込んだのか
といった「考え方」のほうが、読む方にとっても応用しやすいと思っています。
Q2. シミュレーションの運用利回りは何%で計算していますか?
A. 私は年2〜4%程度の幅で考えています。
「たまたまうまくいった高い利回り」を前提にしてしまうと、
将来の計画が楽観的になりすぎてしまうからです。
あくまで、
- 無理なリスクは取らない
- 長期で見て現実的なレンジ
という前提を置いています。
Q3. 60歳以降もフルタイムで働く前提にして大丈夫でしょうか?
A. 私のケースでは、「再雇用フルタイム5年」は老後資産的にはかなりプラスに働きます。
ただし、これはあくまで“私の働き方の希望”と、“現職場の制度”がたまたま噛み合っているだけです。
体力や健康状態、仕事の内容、職場の制度によっては、
- パート勤務を前提とする
- 60代前半は生活費を少し絞る
- 退職時期そのものを見直す
といった選択肢もあると思います。
Q4. 年間支出320〜330万円という数字は、節約しないと無理なラインですか?
A. 私の暮らし方(地方 × 雪国 × 車社会 × 実家暮らし)では、
「多少の余裕と、ほどほどの我慢」
で成り立つラインだと感じています。
都会の一人暮らしや、子育て世帯の方にとってはまったく別の数字になるはずなので、
あくまで「こういう条件だとこのくらい」という一例として見ていただければうれしいです。
Q5. このシミュレーションはどこまで信じていいのでしょうか?
A. 正直に言うと、「未来は誰にもわからない」です。
税制や年金制度、物価、健康状態など、変わる要素はいくらでもあります。
それでも私がシミュレーションをした理由は、
- 何も考えない「漠然とした不安」より
- 前提を置いて「だいたいの見通し」を持っておいた方が落ち着く
と感じたからです。
この記事は、あくまで“ひとりの地方在住の独身がこう考えた”という記録として、
ご自身の老後設計を考えるときのヒントになればうれしいです。
■ 今日のまとめ
- 老後の不安は「構造」を知るだけでかなり軽くなる
- 生活費320〜330万円は現実的で維持しやすい
- 再雇用5年が老後資産の土台を作る
- 雪国の特別支出も事前に織り込んでおけば安心
- 資産額を公開しなくても老後計画は十分作れる
- 100歳まで破綻しない「堅実なシミュレーション」になる
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